マカは、アブラナ科に属する植物で、茎は5mと短く、根は円筒形で、明るい黄色、濃い紫、濁ったピンク、白っぽいピンクなどさまざまな色のものがあります。
食用にされるのは根と旺軸で、有効成分もこの部分に多く含まれています。とくに珍重されているのがマカモラーダと呼ばれる表皮が濃い色の根のものです。現在栽培されているマカは、約十種類あるといわれていますが、なかでもマカモラーダは最高の薬効を備えていると評価されています。

本来マカの生育地はきわめてかぎられていました。伝統的にマカは、ペルー国土の南北を走るアンデス山脈の、標高4000?5000mにあるボンボン高原には樹木はほとんど育ちません。わずかに背の低い潅木が散在し、あとは草本類を中心とした草原か、荒れ地になっています。

しかし、植物に栄養分を吸収されていないため、土壌は豊かで、ボンボン高原の士には、亜鉛をはじめとするミネラル類がたっぷり含まれています。
これらの気候は寒冷で、土地は豊か、太陽光線も強烈という環境が、マカの生育に最も適しているのです。最近では、ペルーの低地で化学肥料を使って栽培されたマカも出回っています。しかし、その栄養価や効能は、ボンボン高原でとれたものに比べると明らかにおとっています。

アンデス高原で暮らす人びとにとって、マカはきびしい自然環境のなかで子孫を絶やさないための大切な栄養源であり、同時に家畜たちの繁殖力維持に欠かすことができない飼料でもあります。生で食べることもありますが、よりマカの効能を高めるために天日干しに1して、妊娠適齢期の女性や男性の滋養強壮源のほかに、成長期の子どもの栄養補給食として用いられてきました。

これは、マカが豊富に含むアミノ酸やビタミン、ミネラル類、活性物質が女性の受胎能力を高め、男性の性機能向上を促進させることを、はるか昔から経験的にわかっていただけたでしょう。

男女の性機能を向上させるマカ

興味深いのは、インカ帝国の時代には、結婚前の若者はマカを食べるのを控えるべき、とされていたことです。これは、若い男女がマカを食べると性機能が活発になりすぎて、結婚前の性的な関係が乱れる、と考えられていたためのようです。

人間がマカの根や旺軸などを利用した残りの葉の部分は、家畜の飼料として用いられます。ただし、貴重な薬草だけに、すべての家畜に与えていたわけではありません。からだが弱ってきた家畜や、子どもを生んでほしい家畜だけに食べさせます。

このように、マカは、ペルーのボンボン高原に住むインディオたちを中心に、数千年前から食べられてきました。
4年ほど前にペルーの国営放送がマカをとりあげ、きびしい生活環境のなかでも元気で長寿をたもっている老人や、多産な女性が多いことを紹介しました。すると、たちまちペルー全土でマカがあらためて注目されるようになりました。この現象がアメリカで報道されると、マカは全米でもすぐに話題になり、世界中にその名が知れわたり不妊治療サプリメントといえば、マカといわれるまでになったのです。

アンデス地方では、マカの収穫期に「マカ生産者連合会」等の生産者や農務省、学術組織等が参加して、祝祭が行われてきました。最近では、ペルー国内だけでなく、アメリカやヨーロッパ、日本からも、マカをあつかう代表企業が招待されてイベントに参加しています。現地生産者の人びとはこの「マカ祭」で、自ら収穫したマカを陳列し、品質をきそいあうのです。このように、現在ではマカは、国際的な商品の一つになっています。